海産魚介類の検査体制
安全・安心をお届けする 検査体制
県が行うモニタリング検査
- 食品の安全性を確認するための公的検査
- 毎週定期的に実施(150検体前後/週)
- 出荷制限の解除
- 漁獲対象種の選定
漁協が行う自主検査
- 安心して食べていただくための自主検査
- 水揚げ日毎に、各市場で実施
- 25Bq/kgを超えた場合は、県試験研究機関(水産海洋研究センター、
水産資源研究所)において精密検査を行う
自主検査の流れ
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① 前処理
水揚げ日毎、魚種毎に一検体以上採取します。表面の汚れを落とし、食べる形態に合わせて処理します。検査機器の特性に合わせて、ミンチや切り身にします。
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② 検査
検査室にて検査を行います。
※下限値12.5ベクレル/kg以下(自主基準値50ベクレル/kgの4分の1) -
③ 結果を添付して出荷
魚種毎に県漁連の検査証明書と検査結果を添付し、消費地市場に出荷します。
出荷方針
福島県漁業協同組合連合会の
出荷方針では、50Bq/kgを
自主基準としています。
これは、間違っても
100Bq/kg(国の基準)を超える
魚介類を出荷しないためです。
高付加価値化の取り組み
MEL認証は環境や水産資源に配慮した、持続的な漁業を行っている事業者を認証する制度で、「水産エコラベル」と呼ばれ、東京五輪の持続可能性に配慮した食材調達基準の一つになっています。
平成31年3月現在までにMEL認証を取得したのは、ヒラメ、ヤナギムシガレイ、コウナゴ、ホッキガイ、アワビ、マアナゴ、カツオ、サバ類の8魚種です。
「水産エコラベル」を付けて福島県産水産物を流通させることで、市場価値の向上や販路の拡大に繋がることが期待されます。
福島県水産海洋研究センター
福島県水産海洋研究センターは、
県内水産研究機関の中核機関及び浮魚資源研究の拠点として
いわき市小名浜に整備された研究所です。
- 所在地:
- いわき市小名浜下神白字松下13-2
- 研究施設:
- 放射能研究棟 /
(放射能測定室、乾燥、灰化室、食品成分分析室等) - 一般研究棟 /
(資源調査測定室、海洋環境分析室等)
- 主要な研究課題:
- ・環境中放射性物質の移行解明
- ・海洋環境 / 海況予測、漁場形成予測に関する研究
- ・ウニ / アワビ漁業や沖合漁業支援に関する研究
- ・他分野と連携した新技術開発、成果の情報発信
福島県水産資源研究所
福島県水産資源研究所は、
栽培漁業と底魚資源研究の拠点として、
相馬市に整備された研究所です。
- 所在地:
- 相馬市光陽1丁目1番14
- 研究施設:
- 管理棟 /
一般研究の実施、施設の管理 (魚体測定、放射能測定、魚病診断等監視パネル) - 魚類棟 /
20トン水槽8面(親魚の飼育、魚類種苗生産) - 閉鎖循環棟 /
閉鎖環境式水槽(閉鎖環境による飼育試験) - 海水ろ過槽 /
1時間あたり1,200トン/時間(海水のろ過)
- 生産能力:
- ヒラメ / 100万尾
- アユ / 300万尾
- アワビ / 100万個
- 主要な研究課題:
- ・栽培漁業対象種の種苗生産技術に関する研究
- ・栽培漁業対象種の放流技術に関する研究
- ・沿岸底魚の資源及び資源管理に関する調査研究
- ・松川浦の増養殖の安定化に関する研究
安全安心のQ&A
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放射性物質ってなに?放射線を出す物質のことです。
放射性物質は自然界にもあって、いつも放射線を出していますが、量は多くありません。しかし、たくさんの放射線が体に入ると健康に悪影響があるので、事故のあと多くの人が水産物を食べることを怖がりました。
放射性物質は、放射線を出して徐々になくなっていきます。元の放射性物質の量の半分になるまでの時間を半減期といいます。今回の事故で海に入った放射性物質の大半は、ヨウ素-131、セシウム-134, セシウム-137というものです。ヨウ素-131の半減期は約8日なので、事故後、短期間で無くなりました。でも、セシウム-134の半減期は約2年、セシウム-137の半減期は約30年あるので、これらが環境や生き物の中に残ってしまいました。 -
海の中の放射性セシウムってどうやって調べるの?調査船を使って調べます。
放射性セシウムを測るための海水や海底の土(海底土)は、調査船の特殊な機器をつかって、採集します。
海水に溶けている放射性セシウムはとても少ないため、海水を直接測ることは難しいです。そのため、2リットルのペットボトル10本分の海水に溶けている放射性セシウムを、特殊な薬品で10グラム(ペットボトルのフタ1個分)に濃縮して測定します。
海底土は長い筒で採集して、薄くスライスして測定します。スライスすることで海底のどれくらい深くまで放射性セシウムが広がったかがわかります。 -
どうやって水産物の検査をするの?測定器を使って調べます。
水産物の検査には、ゲルマニウム半導体検出器という測定器が使われています。この測定器で放射能を測るには、試料を一定の形にする必要があるので、魚をそのまま丸ごとでは測れません。そのため、水産物はミンチにします。
半導体に放射線が当たると電気を通すようになるという性質を利用して、水産物を検査します。 -
魚の中に入った放射性セシウムはそのまま体の中に残るの?おしっこなどとー緒に、体の外に出ていきます。
セシウムは、水によく溶ける物質です。このため、魚の体内に入っても、おしっこなどと一緒に体の外に出ていきます。また、海の魚は、エラからもセシウムを体の外に出しています。こうして体の外にセシウムが出て行くので、放射性セシウムの濃度は、どんどん下がっていきます。
生物の体内に入った放射性物質が半分になるまでの期間を、生物学的半減期と呼びます。魚類に入ったセシウム-137の場合、約50日で半分になるといわれています。 -
汚染している魚の子どもも汚染されるの?子どもに汚染が移ることはありません。
放射性セシウムは、体の中でウイルスのように増殖するわけではないので、汚染された魚の子どもに汚染が移ることはありません。高濃度の汚染水が原子力発電所から漏れ出ていた期間は短かったので、事故後に生まれた魚の汚染は少ないことが、(国研)水産研究・教育機構の調査でわかっています。今後、事故後生まれの水産物が増えていくことにより、さらに水産物の汚染は少なくなっていきます。 -
海の中の放射性セシウムはどこに行くの?徐々に薄められ、海底土の中に入ります。
海の中に入った放射性セシウムは、ものすごくたくさんある海水によって、薄められていきます。また、セシウムは海底に沈んでいき、海底土の中に入ります。この海底土に入ったセシウムのほとんどは、もう生き物の体の中には入りません。こうやって、徐々にセシウムは、生態系という生物の輪の中から、抜けていきます。 -
なぜ海底土の中の放射性セシウムは生物の体に入らないの?セシウムは土と強くくっつきやすいからです。
これまでの研究で海底土に入ったほとんどの放射性セシウムは、生物に入る量がごくわずかなことが分かっています。これは、海底土に含まれている粘土にセシウムが強くくっついて離れないからです。
(国研)水産研究・教育機構では、汚染されている海底土を敷いた飼育実験や、海底に魚を入れた力ゴを設置したりする実験をして、海底土の放射性セシウムが生き物に入らないことを検証しました。 -
魚は食べても安全なの?福島県で漁獲された水産物は、市場に流通する前の段階で検査が行われ、基準値を超えた魚種は流通しません。
事故直後の2011年は、放射性セシウム濃度が100Bq/kgを超える検体が約40%を占めていましたが、その後速やかに減少しました。
不検出の割合が徐々に増加し、2018年以降は99%以上が不検出となっています。
2015年4月以降100 Bq/kg超過はありませんでしたが、2022年1月にクロソイで基準値(100Bq/kg)を超過し、出荷制限がかかりました。 -
放射性物質の検査の結果やくわしいデータはどこで見られるの?下記のウェブサイトでくわしく見ることができます。
農林水産物のモニタリング検査結果【概要】 – ふくしま復興情報ポータルサイト – 福島県ホームページ